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木曽学とは

木曽学って何?

■木曽学のねらい(定義と目的)

 私たちが暮らしている地球、日本の大地、そのそれぞれの地方には長い人類の歴史があり、それは汗と時に命をかけた苦闘を通じて築かれた所産であり、そうした先人の知恵と技が編んだ文化が地域社会に彩を添えています。そうしたかけがえのない文化を持つ地方において、先人から受けついたものを未来に引き継ぐのは現代に生きる我々の責務であります。

 先人達が培った歴史と文化や人々の生きざまと自然を考察するなかで、木曽のような山間地方における人と人とのあり方、人と自然とのあり方を学び探求することを通じて真に社会と地域づくりに貢献したい。そのために私たちは探求し、保存し、磨き、未来に生きる子供たちに届けたいものです。そのための研究を木曽学と定義します。

 

何をするのか?(木曽学研究所の概要)

『過去に学び、将来をみつめ、将来を創る』

■木曽学部門  テーマは「研究と交流」

☆木曽学シンポジウム (全国発信・山村文化考)
 そのときどきのテーマを決めて、全国の専門家を招いてシンポジウムを開催します。

地方が輝いていた江戸時代は地域同士の文化交流がその礎になっていました。上杉鷹山の師細井平洲らと交流を図った木曽代官山村蘇門のように、全国の有識者を積極的に招いて話を聴き、語り合いたいと思います。

☆木曽学講座 (地元学ミニ講座)
 「振り返れば未来…」 新しいまちづくりは郷土を見つめ直すことから始まります。いろんな文化を花開かせた木曽の歴史に学び、これからの地域づくりの糧とします。

☆研究事業
 木曽学の趣旨に賛同し、木曽を研究したい、日本の地方のことを研究したい方や学生を支援します。

☆交流事業
 シンポジウムは意見交換が大切です。研究所では積極的に交流の場を設けます。

■ものづくり部門 テーマは「保存と振興」

☆八澤春慶の復興
 かつての木曽は漆器の産地でした。特に木地の良さを生かした春慶塗や木曽ヒノキの美しさを生かした剥目曲物の技は後世に残したい技術の一つです。木曽学ではその保存と復興に取り組みます。

☆木工芸支援
 木曽は「木の国」です。豊富な財産としての木材を暮らしに生かす技として、また新しいジャンルとして木工芸に励む作家を応援します。特に研究所では、地域の皆さんとの連携によりものづくりの支援策を講じます。

背景 … 20世紀後半の生活スタイルの激変に伴い、それぞれの地域に脈々と受け継がれてきた文化や伝統が急激に失われています。生活文化の向上それ自体を否定するものではありませんが、地域の景観や産業を築いてきた職人技、あるいはもっと身近な生活に根ざした知恵や技術など今残さなければ廃れてしまうものがたくさんあります。また仮に今は不要でも必ず残すべきものがあると思われます。特に木曽は漆器に始まり、楽器産業が隆盛な時代もあり、いろんな分野で幾人もの逸材を生み出してきました。これは豊富な木材を多様な用途に加工する技術がしっかりと定着していたからだと思われます。そうした技術をできる限り生きた形で残せれば理想です。そこで、ものづくりの視点からそれに関わる人々を支援し、そこから地場産業を復興し、あるいはそこから派生する新たな産業を生み出し、地域の自立に寄与することを目指します。それには木曽内外の学術機関や民間機関と連携し、例えば奨学金制度の創設や住生活環境の支援など環境づくりが必要です。

こうした取組みは、すぐに効果を望めるものではありません。また、職人の育成を支援してもそれが新たな産業として根づくことは限りなく難しい話でしょう。しかしながら重厚産業に陰りが見え始め、東京大阪のような大都市でも下町の産業コミュニティが見直され始めている今、山村に息づく価値を見出すことは決して無駄ではなく、むしろ夢を育むものと考えます。またこの取組みを通じて、自分たちのふるさとに自信と確信をもち、そのことを全国に発信できたら、それだけでも大きな成果ではないでしょうか。

賛同者・講師陣

次のみなさまにご賛同いただいています。 (平成21年1月現在)

内山 節(哲学者・立教大学大学院教授)
佐々木 雅幸(大阪市立大学大学院教授)
佐藤 一子(東京芸術大学教授)
佐藤 進(松本大学非常勤講師)
田中 夏子(都留文化大学教授)
陳 昌鉉(バイオリン無鑑査製作家)
(50音順・敬称略)