ブラームス ピアノ四重奏曲第1番ト短調 作品25解説:寺西基之 ブラームス(1833-97)の残した3曲のピアノ四重奏曲(編成はピアノ、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ)は、堅固な古典的構築性と内面的なロマン的情緒とが見事に融合している点で、いずれもブラームスらしい傑作である。3曲とも構想されたのは1855年(もしくは前年)頃のことで、本日演奏される第1番は1861年に完成されている。(なお第2番もそれからほどなく完成されているが、第3番はその後何度も書き直されたため最終的な完成は1874年まで持ち越された)。この第1番の着手から完成にいたる時期のブラームスは、恩人シューマンの妻クララに対する秘めた想い、シューマンの死、令嬢アガーテ・フォン・シーボルトとの恋愛と別れなど、青春らしい様々な事件を経験している。この作品にみられる情熱性やデリケートな多感さは、そのような体験の反映とも受け取れよう。 無断転載厳禁 |
