概要
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パンフレット
実行委員長あいさつ

実行委員長あいさつ

ごあいさつ

今年の夏は、とりわけ暑さが厳しい。7月25日の新聞は、「アメダスの観測」として木曽福島町34.8度、観測史上最高を更新と報じました。
それでも都会からやってくる旅人は、「木曽はさすがに涼しいネェー」と言います。それは低い湿度と、樹幹を吹き抜けるさわやかな緑の風によるだろう。
木曽福島の夏はまた、音楽家たちがこの風に誘われてやってくる季節でもあります。
木曽音楽祭は今年27回目を迎えました。四半世紀を越える年月はいかにも永い。日本の地方の音楽祭で、これほどの歴史を刻んだ祭典が他にあるのだろうか。
しかも日本のトップレベルの演奏家が、足代にもおぼつかない謝礼と、合宿所さながらの民泊、手作りの質素な食事で、一週間を過ごす。長く音楽祭に貢献してい
るヴァイオリンの久保陽子さんは、「私たちは故郷に里帰りするみたいに毎年木曽にやってくる」と、笑った。哲学者の内山節が「魂が帰りたがる場所が、心のふる
さとだ」と言ったことがあります。この町には、ゆったりとして流れる時間と、人々を安心させるような純真さや素朴さがあるのかもしれない。
木曽音楽祭は、音楽祭の老舗というだけでなく、質の高さや、日本で一度も演奏したことのない新曲なども演奏することで有名な祭典です。回を重ねるごとに脚光
を浴び、県外からのお客さんも多く、近年は満席の状況が続いています。過疎に悩む山村の小さな町の、大きな灯台と言えるでしょう。
昨年は音楽家と町民の絆を、もっと広くもっと深くと、役場前で「歓迎セレモニー」を、演奏家の皆さんには、福祉施設「ひなたぼっこ」や「アイライフきそ」で、ミニコン
サートを開いていただいた。また駅前や役場前などでアルペンホルンの吹奏も行われました。演奏家の皆さんは大きな負担となりましたが、地に水が染みるように、
町民の中に浸透し、深い絆を作りつつあると思っています。今年はこれらに加えて、演奏会前の通し稽古を公開し、小学校の5・6年生に聞いてもらおうと計画してい
ます。演奏家の皆さんには、願わくは指揮を問わず、楽器をもってぶらっと、木曽福島を訪ねていただけたらと、欲深い密かな期待を抱いたりしています。
演奏家と町民、聴衆が一体となって奏でる今年の音楽祭が、大きく成功することを期待してごあいさつと致します。

木曽音楽祭実行委員会会長
木曽福島町長
         田 中 勝 已