更新日 : 令和03年11月22日(月曜日)
慶応元年、福島村464番地(現木曽町福島)に生まれる。三井物産横浜ビルをはじめ数々の近代建築を手がける日本の鉄筋コンクリート建築の祖である。建築学の教科書には必ず出てくる人物であり、日本人としては建築事務所を始めて開設した人物でもある。
鉄筋コンクリート構造(RC造)の新技術に大きな関心を抱いたが、明治末年当時は試行錯誤の時代であった。まず床や開口部など部分的に使用しはじめ、1910年竣工の三井物産横浜支店倉庫では混構造(外壁は煉瓦造、床は木造で、内部の柱や屋根スラブなどがRC造)としたが、翌年竣工の三井物産横浜支店では全面的にRC造を採用した(本格的な事務所建築として日本最初のRC造)。於菟の建築物は、当時としては大変に斬新な建築物であり、関東大震災にも耐えて今日も使われていることが驚きである。
また、遠藤於菟は素人離れした篆刻の名手であった。他にも、エピソードとして郷土の先輩である吉村忠道さんにお世話になったことから文豪島崎藤村とも親しかったこと、昭和二年の福島大火で消失した興禅寺の新しい鉄筋コンクリート造りの設計図が寺に残っていること、郷土の子弟を大切にし松本の開智学校を建てた立石棟梁の子どもさんの面倒を見たこと、奥さんも福島の方であったこと、ご子孫が横浜にお住まいだと聞いていること、幾つかの建築関係の雑誌などにも於菟の業績は紹介されていることなどが挙げられる。
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